農業ICT関連銘柄

日本の農業は衰退が指摘されている。高齢化や後継者不足、安価な輸入農産物の増加などで、小規模経営の国内農業の将来は決して明るくない。しかし、農業分野でもICT技術を活用すれば、国内でも高効率の農業を実現できる可能性が出てきた。
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TPPへの米不参加で国内農業はひとまず守られる

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ICT技術が広く普及するにはまだ一定の時間がかかる。その間、日本の農業が持ちこたえられるかどうかが懸念されてきた。しかし、米トランプ大統領が就任早々TPPからの離脱を表明したことで、TPPのデメリットとされてきた国内農業への打撃は避けられる見通しとなった。

また、すでに日本の農業は高付加価値化を進めるなど、海外農産物との価格競争を避ける方向に進み始めている。高付加価値製品を効率よく生産することができれば、国内外の市場で日本の農産物が評価されることとなろう。

特に、中国をはじめとするアジアの新興諸国では、安全で高品質な日本の農産物に対する評価が高い。ICT技術をフル活用して高効率で生産すれば、輸送コスト等を考慮しても、農産物輸出ビジネスで利益を確保できる可能性が高い。

企業が農業に参入する事例が増加

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日本では従来、農業は地方部で家族経営されるケースがほとんどであった。しかし、近年では企業が事業の多角化の一環として農業に参入するケースが少なくない。例えば、小売り大手のイオンは自社で野菜等の生産に取り組み始めている。国土の狭い日本では大規模な耕地を確保することは困難だ。

しかし、大企業が農業に取り組めば、生産ノウハウや最新設備導入等の点でスケールメリットを得ることができる。衰退産業と見なされることの多い農業は、大手企業の資金力を背景に最新のICT技術を取り入れ、利益を狙えるビジネスになりうるのではないだろうか。

ICT技術を農業に取り入れるにあたっては、零細農家単独では初期投資が困難と考えられる。ところが、全国的にJA(農協)の改革が進むなど、農業の効率化は着実に進んでいる。将来的には大企業のみならず、個別の農家もICT技術を積極活用して、競争力の高い農業を実現できる可能性がある。

農業ICT関連銘柄が注目されている理由とは?

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農業ICT関連銘柄は、日本の農業が新たな局面に差し掛かっていることから注目を集めている。特に、アメリカの離脱方針で成立の公算は小さくなったものの、TPPの存在によって国内農業の将来を危ぶむ声が高まった。

企業が農地を極力集約しつつ効率的な経営に切り替えたり、高付加価値の農産物を輸出したりする取り組みが増加する一因だったとも言えよう。農業に新しい風が吹きつつある中、ICT時代が近づいてきている。ICT技術を取り入れれば、より農業の効率化が進むことが期待される。

さらに、日本ではすでにクボタといった優秀な農機具メーカーが存在する。農機具の稼働状況から磁気製品の投入時期や修理依頼の予測などを行ってきたため、データの活用には長けていると言える。国内だけでなく海外における農業ICTビジネスでも、日本企業が存在感を発揮できるのではないだろうか。

福ちゃん注目の農業ICT関連銘柄

【6326】クボタ

農業機械製造ビジネスを国内外で展開している。農業機械を効率よくメンテナンスするなど、保守ビジネスにも取り組んでいる。近年ではGPSを活用した農機具を開発するなど最先端技術の取り込みにも意欲的で、ICT活用にも期待が持てる。

【2811】カゴメ

大手食品メーカーである。農業ICTが実現すれば、原材料を効率よく製品製造につなげやすくなる。低コストで新鮮な原料を入手できれば、食品を加工した製品を多く製造する大手食品メーカーにもメリットがある。カゴメは鮮度が重要な野菜を原料とする製品が多いため、多くの恩恵が見込まれる。

【6752】パナソニック

大手家電メーカーの一角である。ICT時代において新たにインターネット接続される機会の代表格が家電である。そのため、ICTを多く活用するパナソニックが収集したノウハウが、農業ICTにおいても有効活用できると考えられる。

【6702】富士通

近年ICTビジネスに積極的に取り組んでいる。nifty売却をはじめとする選択と集中に取り組んでおり、経営資源が集中投下されるICT分野では、農業ICTを含めた多様なビジネスを展開し、今後の収益貢献が期待される。官公庁向けビジネスに強みがあることから、国の農業改革や農協がらみのビジネスの可能性もある。

【8267】イオン

国内小売大手企業である。ダイエー買収等で小売りビジネスの拡大を図る一方で、農業分野に参入するなど新事業への取り組みも見られる。イオンはスーパーマーケット事業を営んでいるため、農業を効率化できれば自社生産や流通など多くの側面で恩恵を受けられる。

【6310】井関農機

農業機械ビジネスに集中的に取り組んでいる企業だ。国内農業が衰退すれば逆風となるが、ICT技術導入を積極的に進めることができれば、中長期的な成長期待が高まることとなる。時代の変化に迅速に対応できるか要注目だ。

【6701】NEC

NECは社会ソリューション事業に取り組んでいる。通信関連ビジネスで安定した収益を確保していることから、農業ソリューション分野をはじめとする成長期待分野にも積極的に取り組みやすい。農業ビジネスの効率化は国内農業の成長のみならず、世界的な食糧不足問題の解決にもつながるテーマだ。

福ちゃんの農業ICT関連銘柄まとめ

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農業ICT関連銘柄は、ICT企業や食品企業、農業機械企業など幅広い。農業は成長性に乏しい産業だとみなされがちだが、人間が生きていくうえで食糧生産は不可欠である。日本企業が農業ビジネスで存在感を発揮できるかが問われる。