炭素繊維は、軽量でありながら優れた耐久性があることで知られている。航空機をはじめとする輸送機械での使用が進んでいる。機体の軽量化に大きく役立つことから、環境への配慮や燃料費負担の軽減志向の高まりとともに需要増が見込める。
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宇宙産業発展の恩恵を受ける

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炭素繊維は、耐熱性に優れている。そのため、ロケットの素材に活用されている。宇宙産業はアメリカやロシア、日本だけではなく、中国をはじめとする新興諸国でも発展しつつある。宇宙産業の発展とともに、炭素繊維の需要は高まるのではないだろうか。

近年ではロケットの小型化や軽量化も進められている。国だけではなく民間企業や大学等の研究機関が宇宙開発ビジネスに取り組むケースも増えてきており、宇宙産業の広がりに期待できる。炭素繊維の需要は現在右肩上がりだ。

さらに需要が高まれば生産能力を引き上げ、スケールメリットによって製造コスト削減につなげることができる。炭素繊維ビジネスでは日本企業の高い技術力が生きるだけに、さらなる成長に注目したい。

自動車への活用も進む

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炭素繊維は従来、ロケットや航空機といった、単価の高い輸送機械に主として用いられてきた。しかし、自動車など、一般的な個人でも手の届きやすい製品にも活用されつつあるのだ。もし多くの自動車に炭素繊維が活用されることとなれば、炭素繊維の需要は大幅に広がることとなろう。

環境問題への意識は着実に高まっているほか、石油価格が値上がりすれば燃費の良い自動車を求める声が高まる。したがって、自動車への炭素繊維素材の活用は今後も進むと考えられる。また、近年では自動車の安全性を高める技術にも注目が集まっている。

炭素繊維は燃えにくい性質を持っているため、事故が発生した際に車体が炎上するリスクを下げることができる。自動ブレーキ技術などと合わせて、炭素繊維が安全性向上に寄与することが注目されれば需要拡大ペースが上がるとみられる。

炭素繊維関連銘柄が注目されている理由とは?

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炭素繊維は、日本企業が多く製造している。研究・開発も日本企業が盛んに行っていることから、将来的にも日本企業が大きな存在感を発揮しやすい分野である。炭素繊維が用いられる製品は主として輸送機械であり、高い安全性が確保できるよう、高品質が求められる。

そのため、他国メーカーにとって、日本企業レベルの品質を提供する必要が生じ、高い参入障壁となっている。炭素繊維需要が高まれば、利益の多くの日本企業が囲い込める可能性が高いのだ。さらに、日本では三菱重工業が航空機製造に取り組んでいるほか、世界を代表する自動車企業が多い。そのため、日本企業が先頭に立って炭素繊維の利用を進めれば、炭素繊維素材のメリットを世界に発信できるチャンスがある。

福ちゃん注目の炭素繊維関連銘柄

【3401】帝人(株)

大阪府大阪市に本社を置く。
炭素繊維ビジネスで世界的に有名な企業である。炭素繊維に限らず、幅広い繊維を製造している。ヘルスケアビジネスなど、業績の多角化を進行中だ。設備投資にも積極的で、需要拡大が見込める製品の製造能力を高め、業績の拡大を図っている。

【3402】東レ(株)

東京都中央区に本社を置く。
合成繊維を製造する大手メーカーである。炭素繊維ビジネスでは世界トップの企業である。そのため、炭素繊維産業が拡大すれば、多くの恩恵を受けられる。増収増益基調が中長期的に続くかどうか、炭素繊維部門の動向を含めて要注目だ。

【4188】(株)三菱ケミカルホールディングス

東京都千代田区に本社を置く。
三菱系の企業であり、三菱化学をはじめとする多数の三菱系企業を傘下に置いている。グループの幅広い戦力を活かしながら、化学分野における多くの需要を取り込んでいる。炭素繊維需要の伸びに対応する柔軟性も備えていると考えられる。

【3408】サカイオーベックス(株)

福井県福井市に本社を置く。
繊維の染色加工ビジネスに取り組んでいる。近年は炭素繊維ビジネスにも手を伸ばしており、スポーツカー向けの炭素繊維に集中投資している。スポーツカー関連ビジネスの将来性は不透明だが、炭素繊維技術を他用途に応用できる可能性を持っている。

【3315】日本コークス工業(株)

東京都江東区に本社を置く。
住友商事や新日鐵住金が大株主である。社名の通りコークス産業に取り組んでおり、業績の先行きは決して明るくない。しかし、コークスを扱っていることから、炭素繊維ビジネス拡大の恩恵が日本コークス工業にも波及する可能性がある。

【3110】日東紡

東京都千代田区に本社を置く。
ガラス繊維ビジネスを展開する企業である。自社で様々な素材を開発する技術に定評があり、炭素繊維ビジネスでも力を発揮する可能性がある。安定した収益基盤が確立されているため、新規投資を行いやすい点が評価できる。

【3580】小松精練(株)

石川県能美市に本社を置く。
東レが大株主であり、取引が多い。繊維製品の精錬や染色等の加工を行う企業である。炭素繊維関連銘柄としては、東レが炭素繊維ビジネスに取り組んでいることから恩恵波及が期待される。売り上げの伸長よりも採算性を重視している。

福ちゃんのまとめ

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炭素繊維関連銘柄は、炭素繊維の応用範囲が広がっていることから注目度が高い。炭素繊維はステンレス鋼などに代わる代表的な素材となる可能性があり、関連銘柄の株価にも期待できる。