近年、スマートフォンに使われているある部材に関して大きな変化が起ころうとしている。それは、スマートフォンの基幹部分ともいえる液晶パネルが「有機ELパネル」に取って代わろうとしているのだ。

有機ELパネルはスマートフォンでの採用が見込まれており、次世代の薄型パネルとして市場の拡大が有望視されている。それにともない必要となってくるのが有機EL製造装置だ。大量の有機ELパネルを製造するには、量産を可能にする製造装置が欠かせない。このことから有機EL製造装置関連銘柄の急騰が考えられるぞ。
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有機EL製造装置

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有機ELとは「有機エレクトロルミネッセンス」の略で、特定の有機物に電圧をかけると、その有機物が発光する現象をいう。この有機ELを製造するには、有機材料を基盤に定着させなければなりませんが、これには非常に高度な技術が要求されることになる。

現在、主流となっているのは蒸着方式と呼ばれるもので、真空状態の環境で有機材料を基盤に均一に付着させる方式だ。この方式の製造装置を蒸着装置と呼びます。有機材料を均一に付着させるのは繊細な技術のため、蒸着方式の製造装置メーカーは限られている。
有機EL製造装置には、有機材料を基盤に塗布する方式も存在する。印刷方式とも呼ばれ、この方式の製造装置は塗布装置とも呼ばれる。

有機ELの量産技術はまだまだ進化の余地があり、市場ではより高品質の有機EL製造装置が求められている。

有機ELがスマートフォンの採用に見込まれる理由

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現在、スマートフォンの多くは液晶パネルを搭載している。2016年の時点で有機ELパネルを採用しているスマートフォンはごく一部に限られている。
なぜスマートフォンに有機ELパネルの採用が見込まれるのだろうか?

まず、液晶パネルはそれ自体光らないため、画面を表示するにはバックライトが必要になる。一方、有機ELパネルは自ら発光するので、液晶パネルに比べ薄く、軽くできる可能性を秘めていることになる。

また、有機ELパネルは曲げることができるので曲面への対応ができ、将来的には折りたたむことも可能とされている。小型化軽量化、そして折りたためる次世代スマートフォンに有機ELパネルは欠かせない存在となっている。このことから有機ELパネルに注目が集まっている。

iPhoneが有機ELパネルを採用の見通し

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2017年秋に発売が予想されるiPhone8に有機ELパネルが採用されるとみられている。iPhoneの有機ELパネル採用により今後、有機ELパネルの需要拡大を予想する専門家も多く、近い将来有機ELパネルの出荷額が液晶パネルを上回るともいわれている。

調査会社IHSマークイットは、スマートフォン向け有機ELパネルの出荷額が2018年に186億ドルにのぼり、液晶パネルの出荷額を抜くと予想している。この186億ドルという予想出荷額は2015年に比べ75%増となる。iPhoneでの採用を契機に有機ELパネルの市場拡大が加速していきそうだ。

注目の有機EL製造装置関連銘柄

【6728】(株)アルバック

神奈川県茅ヶ崎市に本社を置く。
(株)アルバックは、薄型ディスプレー製造装置の大手企業だ。真空技術に強みを持ち、有機EL製造装置にもその技術が活かされている。中国との取引実績も高く、アジア地域を中心にグローバルな展開が期待されていることから有機EL製造装置関連銘柄として注目している。

【8035】東京エレクトロン(株)

東京都港区に本社を置く。
東京エレクトロン(株)は、半導体製造装置で世界4位の大手企業だ。
半導体製造装置最大手企業との経営統合が進んでいたが、規制当局の承認が得られず実現しなかった。セイコーエプソンとの共同でインクジェット描画装置を開発したことで、有機EL製造装置についても量産化を進めている。このことから有機EL製造装置関連銘柄として期待できる。

【6258】平田機工(株)

熊本県熊本市に本社を置く。
平田機工(株)は、自動車や薄型テレビなどの生産設備製造・販売企業だ。有機ELを生産するのに欠かせない「真空チャンバー」という装置を、有機EL製造装置メーカーの設計図に基づいて受託製造している。また、九州大学と共同で有機EL製造装置の研究開発にも取り組んでおり、同分野でのさらなる躍進が期待されていることから有機EL製造装置関連銘柄として注目している。

【7751】キヤノン(株)

東京都大田区に本社を置く。
キヤノン(株)の子会社のキャノントッキが有機EL製造装置を開発している。キャノントッキが手掛けているのは蒸着方式の製造装置で、有機ELの蒸着装置分野ではシェアをほぼ独占している状態だ。同社は世界的な供給不足に対応するため生産能力を倍増するとしていることから有機EL製造装置関連銘柄として注目されている。

【7717】(株)ブイ・テクノロジー

神奈川県横浜市に本社を置く。
ブイ・テクノロジーは、液晶パネルや有機ELパネルなどの製造を手掛けるファブレス企業だ。有機ELパネルを量産する上で欠かせない露光装置を取り扱っている。高画質化および省電力化を実現する同社の露光装置は世界シェアNo.1なことから有機EL製造装置関連銘柄として期待できる。

【6641】日新電機(株)

京都府京都市に本社を置く。
住友電工傘下の重電メーカーで送変電機器に加え、液晶・半導体製造装置などを扱っている企業だ。有機ELパネルの生産に不可欠な「イオン注入装置」を扱っており、そのシェアは世界トップを誇っている。有機ELの市場拡大に伴い今後も需要拡大が見込まれていることから有機EL製造装置関連銘柄として注目している。

株大臣のまとめ

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有機ELパネルの登場により、近い将来折りたためるスマートフォンができるかもしれない。スマートフォンで有機ELパネルが普及すれば、有機EL製造装置関連銘柄はますます伸長が期待できると考えている。しばらくは有機EL関連銘柄から目が離せない。ぜひ有機EL製造装置関連銘柄、有機EL関連銘柄をチェックしてもらいたい。