株式市場で待機児童関連銘柄が注目されている。「保育園落ちた日本死ね」この言葉は記憶に新しいが、2016年のユーキャン新語・流行語大賞のトップ10に選ばれたことは知らない人も多いと思う。それだけ待機児童問題は深刻ということであり、2017年は待機児童関連銘柄が大きく変動しそうだ。

待機児童問題とは?

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保育所に申請をしても、保育関連施設が満員で入所できず順番を待つ児童が発生する問題のことをいう。その中でも特に0〜3歳児や途中入所の児童が難しいとされている。社会で女性が活躍できるようになってきた反面こうして、働きたくても働くことができない女性が増加していることも問題となっている。子供を保育園に入所させるために保護者が行う活動は保活と呼ばれ、大きな負担になっている。厚生労働省の発表では、2017年に保育ニーズがピークに達すると報じられており、早急な解決を願っている状況だ。

保育士の問題

現在、保育関連施設以外にも保育士の不足も注目されている。介護と同じように低賃金により続けたくても続けることができない人が多い。朝は早く、夜は園児が帰った後も作業があることで遅くなるが、肝心な給料は安く離職率も高い。特に男性保育士は家庭を持っているなら尚更である。

厚生労働省の賃金構造基本統計によれば、勤続12.1年で33.3万円、保育士では勤続7.6年で21.9万円(平均35歳)となっており、決して高くはない上に家庭を養うとなると共働きでないと厳しいのが現状である。

又、保護者との接し方も難しい部分だ。モンスターペアレントという言葉があるほどなので、学校ではない保育関連施設でももちろん同じ問題はある。そんな保育士不足を減らすための准保育士制度ではあるが、これも現状質を考えると良いとはなかなか言えないのが、現場での意見だ。

保育士の現場動画

保育関連施設の問題

それでは保育園の数はどうなっているか見てみよう。厚生労働省発表の保育所等関連状況取りまとめでは平成20年に22909箇所から、平成27年には28783か所と1.2倍ほど数は多くなっている。

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数字だけ見てみると、保育施設は充実しているようにも見えるが、実際のところ待機児童という問題が解決できない原因は、どこにあるのだろうか。下の図は、都道府県別に見た待機児童の数だ。ここに、原因が隠れている。施設の数は多くても、バランスが取れていないことがわかる。青森や山形、新潟、宮崎など待機児童が0のところがある反面、特に東京都は7814人も待機児童がいる計算になる。

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単に施設を増やすだけでなく、質を行き渡らせるには保育士の数が増えないことには営業ができない。結局のところ制度が充実していても保育士の給料という一番重要な壁が緩和されない限り、この問題が収束することはないだろう。

隠れ待機児童とは?

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厚生労働省は待機児童は9000人弱と発表しているが、この人数には認可園に入れずに育児休暇を延長した人や、求職活動を断念した人は入っていない。希望しても入園がかなわず諦めた児童を隠れ待機児童と呼ぶがその人数が深刻さを更に物語っている。なんと自治体が発表している人数の軽く2倍はいるという。2001年に厚生労働省により待機児童の定義が変わったことも重なり、本当の意味での待機児童の人数は計り知れない。

待機児童関連銘柄

注目している待機児童関連銘柄を紹介する。

【2749】(株)JPホールディングス

愛知県名古屋市に本社を置く。
JPホールディングスは、保育所運営の大手であることから待機児童関連銘柄では本命と言えるだろう。16年3月期末の援施設数は200を超えることからも分かるように、業界最大手である。

【6189】(株)グローバルグループ

東京都千代田区に本社を置く。
グローバルグループは、首都圏を中心に保育所などの子育て支援事業を展開する企業だ。都内だけでなく神奈川県や川崎、千葉まで施設を増やしており、待機児童の最も多い都内に認可保育所を構えていることからも、待機児童関連銘柄を語る上では欠かせない存在だ。

【9783】(株)ベネッセホールディングス

岡山県岡山市に本社を置く。
ベネッセホールディングスは、進研ゼミなどでよく耳に聞く会社である。ベネッセ次世代育成研究所ではインターネット調査などにより、現場の母親から聞き取り調査をし、預け先についての情報提供や、母親の働き方と子どもの預け先のマッチングを推進させ、待機児童問題に積極的に取り組んでいることからも、今後の動きに注目だ。

まとめ

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2017年が保育ニーズがピークに達するとされていることからも、待機児童関連銘柄は今年大きく動きがあると予想される。しかしながら保育士の離職率や給料の問題が解決されない限りはプラスには変動しづらいことも考えられる。ぜひとも一番待機児童が多い東京都が問題解決に向けて一段と取り組んでくれれば待機児童関連銘柄が大穴として狙い目になる日も近いだろう。