医療は、少子高齢化が進む日本において注目度が高い銘柄だ。人口減少により需要減が懸念される産業が多い中、需要の拡大が安定的に期待できる産業である。また、近年はiPS細胞を中心とする再生医療分野でも研究が進んでいる。
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iPS細胞ビジネスでは日本が先行できるか?

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日本は先進医療分野で世界的な先端技術を有している。iPS細胞の発見によりノーベル医学生理学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授が現在も日本で研究を続けており、他の研究者も巻き込んでさらなる最先端技術の開発が期待されている。日本は従来から研究・開発の能力は高い。

しかし、実用化して収益を得る段階では、アメリカをはじめとする海外諸国に後れを取るケースが少なくない。iPS細胞ビジネスについては、政府から研究予算が割り当てられるなど国の後押しも見られる。

日本企業がiPS細胞ビジネスで海外諸国に先行できるか、今後注目したい。iPS細胞が幅広く実用化されれば、多くの病気に対して効果的な治療となる可能性が指摘されている。国内外で大きなビジネスになることが見込まれ、関連銘柄には早くから注目しておきたいところだ。

医療ツーリズムによる需要拡大にも期待

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日本では、訪日外国人観光客の増加に力を入れている。すでに、寺社仏閣等の観光スポットを訪れる外国人は増加している。外国語表記への対応など、政府も訪日外客の取り組みに積極的だ。

日本は国際的にみて高い医療技術を有している。そのため、モノ消費からコト消費にシフトするなど訪日目的が変化する中、医療ツーリズムの拡大も期待できる。観光目的で訪れた外国人に医療サービスも受けてもらうことができれば滞在期間も伸び、内需の減退に苦しむ日本経済を下支えする可能性がある。

2017年現在、日本は医療ツーリズム需要の取り込みが遅れている。観光客増加を追い風にして急速に医療ツーリズムビジネスが拡大すれば、関連銘柄への波及効果は大きくなる。

医療関連銘柄が注目されている理由とは?

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医療関連銘柄は、日本で少子高齢化が進んでおり、需要拡大が見込まれることから注目度が高い。また、ノーベル賞受賞者が出るなど、日本では医療関連技術の研究・開発が盛んである。

優秀な研究者を多数有していることから、医療ビジネスにおいて国際的に日本企業が多くの収益を上げる可能性がある。高齢化が進むことは、消費の落ち込みなどの点で、日本経済にとってマイナスである。

しかし、医療分野においては、国内の高齢化問題に対処することで、世界に先んじて実証的な医療実験を行いやすいと言える。日本国内の限られた成長産業の1つとして、医療関連銘柄は有望な投資先と考えられる。医療ツーリズムなど最新の動向を踏まえたトピックも登場しており、短期的な注目度アップの可能性もある。

注目の医療関連銘柄

【7776】(株)セルシード

東京都江東区に本社を置く。
再生医療ビジネスに取り組むバイオベンチャーである。バイオベンチャーでは費用が先行する傾向があり、セルシードも赤字が続いている。産学連携による細胞シートを活用した再生医療が実用化に近づけば、業績改善が見込まれる。

【4681】リゾートトラスト(株)

名古屋市中区に本社を置く。
会員制リゾート施設を運営する企業である。リゾートビジネスが好調であることから、健康診断サービスを提供するなど医療分野にも進出している。医療ツーリズム需要が高まればリゾート分野、医療分野の双方で恩恵を受けられる。

【9735】セコム(株)

東京都渋谷区に本社を置く。
国内最大手の警備会社だ。多くの顧客から得ている信頼を背景に、防災ビジネスや医療ビジネスにも取り組んでいる。医療ビジネスでは特に在宅医療に力を入れており、自宅警備ビジネスとの相乗効果が期待される。既存の顧客層にアピールすれば営業費用も抑えられる。

【7774】(株)ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング

愛知県蒲郡市に本社を置く。
再生医療ビジネスに取り組むベンチャー企業だ。バイオベンチャーながら、売上高が右肩上がりとなっており、今後の業績に期待が持てる。自家培養した表皮ビジネスを行っており、すでに一定の需要を確保している。医療需要の高まりでさらなる業績向上に期待できる。

【2370】(株)メディネット

横浜市港北区に本社を置く。
近年急速に注目度が高まっている、がんの免疫療法に力を入れている。細胞加工ビジネスにも取り組んでおり、収益改善が期待される。もっとも、研究・開発費の先行投資がかさんでおり、赤字が続いている点は要注意だ。

【4978】(株)リプロセル

横浜市港北区に本社を置く。
iPS細胞関連ビジネスに取り組んでいる。iPS研究所がある京都大学のほか、東京大学なとも共同研究を実施している。産学連携の取り組みを積極的に進めることで、ハイレベルな研究・開発を実現する狙いがある。赤字がかさんでおり、早期の業績改善が求められている。

【2372】(株)アイロムグループ

東京都千代田区に本社を置く。
治験を支援するビジネスに取り組んでいる。売上高には波があるが、収益改善に取り組む姿勢を示しており利益の確保に期待できる。医療ビジネス全体が拡大すれば売上高が伸び、利益拡大の可能性もある。ひとまずは業績の安定化をどこまで進められるかに注目したい。

福ちゃんのまとめ

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医療関連銘柄は少子高齢化が進む中で資金流入が期待される。医療ツーリズムが拡大すれば訪日外客数増加の恩恵も受けられる。研究・開発費が先行しがちなビジネスであり、関連銘柄の選別が求められる。