円高メリット関連銘柄

日本の上場企業は輸出ビジネス銘柄が多い。そのため、円安・ドル高になると日経平均株価にはプラスの影響が生じる。しかし、上場企業の中には円高メリットを受ける企業もある。円安・ドル高進行に歯止めがかかる中で、円高メリットを受けやすい銘柄をチェックしておきたい。
yen-2177672_960_720

貿易赤字を嫌う米トランプ大統領がドル高是正を図る可能性

money-1258597_960_720 (1)
米トランプ大統領は、貿易赤字に対して強い不快感を示している。特に、ドイツや日本、中国は名指しで批判されている。日本は自動車を中心とする輸出が盛んであり、日米貿易ではアメリカに貿易赤字をもたらしている。

トランプ大統領は貿易赤字の一因として、日本の「通貨安誘導」を指摘している。確かに円安・ドル高は日本車の現地販売価格を低下させ、米自動車企業の業績を圧迫する。トランプ大統領が貿易赤字の解消を求めてドル高是正に取り組めば、円高・ドル安に相場が動く可能性がある。

従来であれば先進国が為替介入を行うことは有事を除いてないと考えられたが、型破りなトランプ大統領が大胆な行動に出る可能性は否定できない。ドル高是正に向けた強い圧力が為替市場にかかることも念頭に置きつつ投資を進めたいところだ。

円安への対応度は企業によって差がある

bank-note-209104_960_720
日本では民主党政権時代に、長期にわたる円高に苦しんだ企業が少なくなかった。しかし、アベノミクスが始まると為替相場は円安・ドル高方向に推移した。企業は為替相場の変化に合わせて想定為替レートを変更したり、原材料輸入を控えたりするなどの対応をとってきた。

とはいえ、円安への対応度合いは企業ごとに大きく異なる。想定為替レートも直近では1ドル=115円程度に設定している企業もあれば、1ドル=110円よりも円高水準を想定している企業もある。為替変動を大きなリスクととらえてヘッジする企業に対して、一過性のものだとして最低限の対応にとどめる企業もあるなど様々だ。円安基調に変化が見られる中で、円安への対応が過度になっていない企業業績に追い風が吹くことになりそうだ。

円高メリット関連銘柄が注目されている理由とは?

money-515058_960_720
トランプ米大統領就任が決まって以降、為替相場は1ドル=120円近辺までの円安水準となっていた。しかし、北朝鮮によるミサイル発射やアメリカによるシリア攻撃、トランプ大統領の政策実現に対する不透明感などを背景に、1ドル=110円程度まで為替レートが円高方向に戻りつつある。

日本企業は円安進行を受けて想定為替レートを1ドル=115円程度に設定しているところもあり、想定よりも円高水準で推移する為替レートによる悪影響が懸念される。円安には歯止めがかかったものの、企業業績はおおむね好調である。

そのため、特に円高メリットを受けやすい輸入企業を中心に、投資妙味が増していると言える。円高を逆風とする企業が多い中、相対的に少数の円高メリット関連銘柄に資金が集中すれば、大きなリターンが期待できる。

福ちゃん注目の円高メリット関連銘柄

【9843】(株)ニトリホールディングス

札幌市北区に本社を置く。
ニトリは安価な家具等を販売するビジネスで地位を固めている。個人消費が伸び悩む中で、依然として低価格な家具を手軽に購入できるニトリへの評価は低くない。低価格を実現すべく、ニトリでは東南アジア等での海外生産割合が高い。円高が進めば原価が下がり、利益率アップや、値下げによる消費者への還元が期待できる。

【9501】東京電力ホールディングス(株)

東京都千代田区に本社を置く。
福島第一原発事故以降、賠償金支払い等により厳しい経営を強いられている。原発が停止する中火力発電の比率が高くなっており、円高は燃料輸入価格低下メリットをもたらす。経営の正常化には長い年月を要するが、安全資産として東電株を保有してきた投資家にとっては、円高は朗報と言える。

【9503】関西電力(株)

大阪市北区に本社を置く。
高い原発比率で電力価格引き下げに取り組んできた関電では、原発停止の影響が大きい。円高により火力発電用燃料コストが下がれば、業績改善が後押しされる。電力自由化で顧客を奪われていることもあるが、原発再稼働が進めば燃料費低下と合わせた価格引き下げ財源が増え、新電力への対抗力が増す。

【9531】東京ガス(株)

東京都港区に本社を置く。
2017年4月スタートのガス自由化により、電力会社等に顧客を奪われる可能性がある。しかし、ガス自由化は電力自由化と比べて注目度が小さいことから、影響は限定的となる見通しだ。円高により輸入原料費が下がれば価格競争力が高まり、顧客を囲い込みやすくなる。

【8186】(株)大塚家具

東京都江東区に本社を置く。
大塚家具は創業家の内紛に伴い、業績が悪化している。娘の久美子社長が価格引下げ等に取り組んだものの、長年にわたり大塚家具を支持してきた顧客の信頼を失うなどのマイナス面が目立っている。配当金を減らすなど株主にも痛みを強いている中、円高による採算改善が期待される。

【2670】(株)エービーシー・マート

東京都渋谷区に本社を置く。
靴の小売りビジネスに取り組んでいる。低価格で幅広いデザインの靴を販売していることが魅力であり、若者などから一定の支持を得ている。円高が進めば、輸入している靴の販売価格を引き下げられる可能性がある。ネット通販が台頭する中で、円高が増収増益基調の継続を後押しするとみられる。

【9861】(株)吉野家ホールディングス

東京都中央区に本社を置く。
松屋、ゼンショーHDと並ぶ牛丼チェーン大手である。低価格メニューを提供すべく、輸入に依存する原材料が少なくない。そのため、円高が進めば材料費が低下し、利益率の改善につながる。他2社と比べて業績が振るわない吉野家にとって、為替の円高推移は幸運と言える。

福ちゃんの円高メリット関連銘柄まとめ

yen-1576311_960_720 (1)
円高メリット関連銘柄は、円高により日本株が低迷した際に良好なパフォーマンスを発揮してくれる可能性が高い。リスク分散の観点からも一定程度保有しておきたい銘柄だ。