コト消費関連銘柄

訪日外国人観光客数は右肩上がりを続けている。しかし、一時期見られた「爆買い」に代表される大量消費は下火になりつつある。そのため、「モノ消費」に関しては期待度が下がっている。外国人の関心はモノから体験などの「コト消費」へと変化しつつある。日本の自然環境や伝統・歴史を外国人に伝えることでさらにコト消費の需要を喚起できる。
water-165219_960_720 (2)

訪日外国人観光客の「爆買い」は下火に

beach-hut-237489_960_720
訪日外国人観光客は、人口減少が進み消費が低迷する日本経済にとっての起爆剤となりうる。最初に外国人観光客急増の恩恵を受けたのは百貨店業界などである。中国人をはじめとする訪日客が大量の日本製品を購入することにより、低迷しがちだった業績が一転して好調となった企業も少なくない。

しかし、「爆買い」と呼ばれた外国人による大量消費は下火になっている。家電製品や衣服などへの消費は一定程度見られるが、買い物を主目的として日本を訪れる外国人の割合は低下傾向だ。今後は海外でもインターネット等を通じて日本製品を手に入れることがより容易になると考えられる。そのため、外国人によるモノ消費は、訪日客が伸び続けても大幅な伸びは期待しづらい。

訪日客数は増加続きでコト消費への関心が高まる

grenadines-2278269_960_720
訪日外国人客数は依然として増加を続けている。当初は為替レートが円安に推移し、日本旅行が割安になったことが訪日外国人増の要因とされていた。しかし、円安が一服しても日本旅行の人気は高い。

今後は東南アジア諸国等で所得水準が上がり、さらなる日本旅行需要の高まりが期待される。また、訪日外国人の増加に伴って、日本各地の観光名所等では、英語表記の案内を増やすなど、外国人がより少ないストレスで日本を観光できる環境が整いつつある。

さらに、地方都市などを含めて、外国人に日本の伝統文化を体験してもらうイベントを積極的に開催しているところが増えている。日本ならではの体験をするには日本を訪れる必要があり、インターネットの普及等が進んでも観光産業に対する需要を保ちやすくなると言える。コト消費は中長期的な観光需要を支えるため、関連銘柄にはしっかり注目しておきたい。

コト消費関連銘柄が注目されている理由とは?

sea-2259070_960_720
コト消費関連銘柄は、日本政府が進める観光産業の育成が順調に進んでいることから、注目を集めている。訪日外国人観光客数が増えるにつれて、博物館や神社仏閣といった観光スポットや、移動における需要を取り込める鉄道会社や航空会社が、積極的に外国人への対応を強化している。

国や地方自治体、民間企業による観光投資がさらなる観光需要につながる好循環が生まれているのだ。さらに、従来は買い物に便利な東京や大阪、観光名所の多い京都などに集中していた観光客は、コト消費需要が高まることで地方都市へも流入しつつある。

地方都市では特に人口減少のペースが速く、地域を活性化する上で外国人によるコト消費需要は貴重だ。地方創生というテーマにもつながることから、コト消費関連銘柄は幅広い観点から注目しやすい。

福ちゃん注目のコト消費関連銘柄

【2340】(株)極楽湯ホールディングス

東京都千代田区に本社をおく。
外国人が日本で楽しめる貴重な体験の1つが温泉だ。温泉名所は日本各地にあり一定の人気を博している。さらに温泉に関心を持つ層が広がれば、より手軽に楽しめる温泉として、スーパー銭湯を展開する極楽湯の売り上げ増につながる可能性がある。

【9010】富士急行(株)

山梨県富士吉田市に本社をおく。
コト消費として外国人が日本最高峰の富士山に関心を持つケースもある。富士山は世界遺産に登録されたこともあり、外国人からの関心は低くない。富士山とその周辺では富士急行が鉄道を走らせているほか、リゾート開発や富士急ハイランドの運営も行っている。

【4681】リゾートトラスト(株)

名古屋市中区に本社をおく。
コト消費を求める外国人の中でも高所得層は、リゾート施設への長期滞在を希望することが考えられる。ヨーロッパでのバカンス期間を日本のリゾート施設で過ごしたいという需要が高まれば、リゾートトラストの会員が増えることも考えられる。

【9024】(株)西武ホールディングス

埼玉県所沢市に本社をおく。
コト消費はモノ消費と異なり、ある程度時間をかけて滞在しながら楽しむ必要がある。そのため、外国人1組あたりの滞在期間が伸びるのではないか。長期滞在する観光客が増えればホテルの稼働率が上がるため、ホテルビジネスに取り組む西武ホールディングスにとってメリットがある。

【6040】日本スキー場開発(株)

東京都渋谷区に本社をおく。
雪の降らない東南アジア地域などでは、スキーを楽しむために日本を訪れるケースがある。そのため、日本で幅広くスキー場開発に取り組んでいる日本スキー場開発は、暖冬などの影響を克服しながら業績を伸ばすことも考えられる。

【3067】(株)東京一番フーズ

東京都新宿区に本社をおく。
コト消費の1つとして、日本の食文化を楽しむことができる。東京一番フーズでは国産フグ専門店を運営していることから、海外ではなかなか味わえない日本食を楽しみたい外国人の需要を取り込める。潜在需要を掘り起こしつつ積極的な新規出店ができるかどうかが業績のカギを握る。

【2531】宝ホールディングス(株)

京都市下京区に本社をおく。
アルコールの醸造ビジネスに取り組んでいる。海外ではアルコールと言えばワインやビールが主流である。日本ではこれらに加えて日本酒を楽しむ習慣がある。海外にも日本酒の魅力は広がりつつあり、海外需要を取り込めれば日本酒の売り上げが伸びる可能性がある。

福ちゃんのコト消費関連銘柄まとめ

atoll-2179234_960_720
コト消費関連銘柄は中長期的に見ても業績を伸ばしやすい環境だ。為替レートや一時的な景気変動の影響を乗り越えながらも外国人需要を取り込めるとなれば、少ないリスクで投資しやすい。